カテゴリ:漢方薬( 14 )

滋養強壮の漢方薬

あけましておめでとうございます。

南国香港でも一年で一番寒い季節を迎えています。
身体が冷えやすく、ますます補腎を心がけねば!と
気を引き締める思いです。
皆様はいかがですか?

さて、「朝元気に起きられない」「疲れが取れない」「下半身が重だるい」と
患者様が訴えたときによく処方に入る2種類のお薬をご紹介します。

ぺらぺらの葉っぱの方は淫羊藿(いんようかく)といい、
細長いほうは巴戟天(はげきてん)です。

ともに
補腎助陽(腎を補い身体を温める)
袪風除湿(余分な湿気を排出して痛みを取る)
作用があります。

この他、生殖能力を高めたり、身体を元気にしてだるさを取ります。

淫羊藿は日本でもイカリソウという名前で養命酒に入っており
古くから強壮剤として親しまれています。

香港大学の教授から淫羊藿は必ず修治(加工)して使うこと!!と習いました。
羊の脂肪で修治するとより生殖能力を高められるのだとか。
生薬の名前としてはちょっと意味深ですね。
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by touhoubijin | 2008-01-18 14:24 | 漢方薬

婦人科の漢方薬

今日は婦人科疾患に頻繁に使われる漢方薬を2つご紹介します。
補腎生活とどうかかわりがあるかというと、腎=生殖機能を
司るため、女性は常に婦人科系統を整えていることが大切だからです。

写真の右の大きいほうが当帰(とうき)、左が川芎(せんきゅう)です。
ともに婦人科の、生理の調子を整えるときによく処方に入ります。

当帰は血を補う代表生薬で、
血を増やしてさらさら流すことによって
身体を温めるという作用もあります。
その他の効能として、止痛や滑腸(お通じを出しやすくする)などもあります。

川芎は血をめぐらせる代表生薬で、
瘀血(古い汚れた血のこと。血の流れが悪いことも指す)を溶かし
血をさらさらにする作用、また止痛の作用を持つことから
生理痛や血の流れが悪いことが原因の痛みを解消します。

当帰と一緒によく用いられ、ペアになることによって、さらに
活血散瘀(血をさらさらにして瘀血を溶かす)
行気止痛(気を流して痛みを止める)の力を強めることが出来ます。

婦人科疾患、特に生理痛を治す生薬として
「血府逐瘀湯」や「四物湯」「温経湯」などの有名処方には
必ず当帰と川芎は一緒に入っています。

女性の生理を整え、辛い痛みを取り除いてくれる
女性のための名コンビですね。
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by touhoubijin | 2007-12-04 19:58 | 漢方薬

心を落ち着かせる風邪薬

黒豆を発酵させて作る豆豉は中国料理の調味料としても
良く知られていますが、これは中薬の風邪薬に分類される漢方薬です。

風邪から来る頭痛、発熱、寒気に効きます。

何しろもともとが黒豆ですので薬膳に用いやすく
これをよく包丁でたたいたものと白ねぎとしょうがをみじん切りにして
スープにすると、風邪のときによい薬膳スープになります。

しかも豆豉には熱でイライラする気分、胸がざわざわして
落ち着かない、不眠症などを改善する効果もあります。

日持ちしますので冷蔵庫に常備して、ゾクゾクイライラの風邪の時の
お助け食材として用いてみてください。

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by touhoubijin | 2007-08-20 15:13 | 漢方薬

せみのぬけがら

動物・昆虫生薬をご紹介するのをややためらっていたのですが
これだけ紹介させてください。
(気持ち悪いブログ?になるので写真は小さめにしてみました)

ご存知せみのぬけがら、これは「蝉退」という生薬です。
「肺」と「肝」の経絡に入ってその効能を発揮します。

動物や昆虫のお薬は「毒は毒で制す」ように
重症患者にのみ使われることが多いのですが
この蝉のぬけがらは普通のよくある風邪や目のトラブル、例えば
発熱、のどの痛み、声が出ない、痰や鼻水が黄色い時の風邪(←肺経)や
目に炎症があり赤くなったり涙がたくさん出たり目やにが多い(←肝経)時に
本当に頻繁に処方に入ります。

また、小児の夜泣きにとてもよく効くお薬とされていて
中国では疳の虫が強い赤ちゃんには蝉退の入った生薬を
煎じて飲ませるそうです。

先人はどうしてこれをお薬にして飲んでみようと思ったのか
奇怪な生薬を見るたび感心してしまう毎日です。

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by touhoubijin | 2007-02-02 10:17 | 漢方薬

どんな風邪にも葛根湯?

「葛根湯」は風邪に効く漢方薬として日本ではとても有名ですが
風邪は風邪でも「悪寒があり、ぞくぞくする風邪の初期に肩こりや頭痛を伴うとき」
に最も適している方剤です。

葛根は、葛の根を乾燥したもので、
肌の表面にとりついた風邪を汗をだして追い出す力や
頭、背部ががちがちに凝ってつらいときの上半身の痛みに良く効きます。

その他の作用として、下痢をとめたり、血糖を下げる働き、血圧を下げる働き
もあることが証明されています。

香港では生の葛、「粉葛」が普通に野菜売り場に売られており
人々はよくスープにしてその効能を取り入れています。

本当に”根っこ”という感じで繊維質が多く、皮が固くて切りにくいのですが
皮をそぎ落とした後、さいの目に切って4人分なら1.5ℓほどの水で
豚肉などとともに約2時間ふたをして煮込みます。

風邪のときならここに生姜のスライスや白ねぎを加えると
(それぞれも食材でありながら生薬)
より風邪を追い出す力が強まります。

この粉葛はスープで2時間煮ても繊維質ばかりで食べられないので取り除き
エキスの入ったスープだけを使ってください。
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by touhoubijin | 2006-10-08 07:59 | 漢方薬

むくみの季節対策: あずき

香港の昔ながらのおやつ、「鉢仔糕」です。

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お米の粉に白玉粉と浮き粉、それにあずきと砂糖を加え、
おわんの中に入れて蒸すだけの、シンプルだけど身体に優しい懐かし系スイーツです。

あずきは生薬では 赤小豆(セキショウズ)という名前で、
むくみや脚気に効くとされています。
性質が「平」なので、そのほかの緑豆や冬瓜のように
「むくみに効くけど体を冷やす」という心配がなく、
冷え性でなおかつむくみが気になる、という人に最適です。

あんこやぜんざいをたくさん食べる、というわけにはいきませんが、
あずきをご飯に混ぜて炊いたり、おかゆに入れたり、
スープの実にしたり、サラダに混ぜたり。

この湿気の多い時期、いろいろ試してみてください。
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by touhoubijin | 2006-04-13 00:08 | 漢方薬

おいしく便秘を解消: アロエ センナ ハチミツ 黒ゴマ

習慣性の便秘に効く漢方薬として
芦薈(ロカイ)や番瀉葉(バンシャヨウ)という生薬があります。

芦薈はアロエ、番瀉葉はセンナのことです。

ヨーグルトにアロエが入ったものが売リ出されたときは
すごい組み合わせ!とびっくりした記憶がありますが
今思えば、これは薬効が理にかなっています。

センナは便秘に効くお茶としてセンナ茶が有名ですね。

なお、芦薈や番瀉葉をはじめ、大黄(ダイオウ)や芒硝(ボウショウ)などの
瀉下薬(腸管を刺激してお通じを促進する薬)は正気を傷つけやすいので
妊婦さんや生理中は飲まないほうがよいとされています。

もう少し作用のおだやかなものとして
潤下薬(腸を潤滑し、便を軟化し排出しやすくする)があります。
蜂蜜と黒ゴマは、潤い不足の便秘に効果があります。

黒ゴマペーストにハチミツを混ぜたものをパンに塗って食べると
おいしくて、なおかつ朝のお通じも快適に!
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by touhoubijin | 2006-04-07 19:34 | 漢方薬

私の栄養ドリンク: 黄耆

疲れたときの「グイッと一杯」に、こんな栄養ドリンクを飲んでいます。

左下の小瓶は北芪(黄耆の最高級品)の成分が抽出されたドリンクで、
疲れたとき、気力低下のときの最適薬で肺と脾の気を補い
体力と気力を回復させます。

また、寒がりで血虚になりやすいという自分の体質から、
よく棗を煮出して生姜のスライスを加え、
氷砂糖(香港で使うのは黄片糖)をひとかけら加えて作る
こんなお茶をよく飲んでいます。

誰でも疲れるときはあるもの。
ここぞというときのお助け薬がそばにあると安心ですね。
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by touhoubijin | 2006-03-08 11:10 | 漢方薬

不老長寿の果物: 桃

長寿であることが尊いとされている香港では、お年寄りのお誕生日を盛大にお祝いする風習があります。
そのときに必ず祝い菓子として出されるのがこの「桃まんじゅう」。

古くから桃は不老長寿のくだものとして大変縁起の良いものとされています。
身体を冷やす果物が多い中で桃は貴重な温性食品で、
血液の流れを良くし瘀血をとかすので月経や生理痛を改善する、
気を補う、
身体を潤すので腸の乾燥から来る便秘にも良いなどなどたくさんの効能を持ちます。

桃の成熟した種子の中の仁を乾燥したものは「桃仁(トウニン)」で、
これは瘀血が原因の婦人科疾患に処方される代表的な生薬です。
果物と同じように桃仁にも潤燥、滑腸作用があり便秘にも用いられます。

旬に限らず缶詰の桃でもよいので、年中ゼリーやシャーベット、コンポートなどに利用し、
私たちも不老長寿の恩恵を受けてみませんか。
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by touhoubijin | 2005-12-23 17:51 | 漢方薬

不老長寿の美肌のデザート: くるみ

香港も寒くなってきました。
前回、補腎の話が出ましたので今回も「腎」について少々。

腎とは西洋医学で言う腎臓などの泌尿器科の他、人間の成長・発育・生殖を司る生命エネルギーを担っていると考えられています。

寒さは腎の働きを衰えさせます。したがって冬の季節は腎を補うように養生するとの教えがあります。

そこでこのくるみ汁粉。
香港では「合桃露」という名前で、糖朝や薬膳スイーツやさんで食べられます。

くるみは「胡桃肉」という生薬の一種で腎に大変よいとされるものです。
膝や腰を強くするので腰痛や膝痛によく、血管を丈夫にする、肺を温めるので
冬の咳によいなどの効能があります。

腎の「成長・発育を司る」とは、成人してからこの意味するところはすなわち「老化」。
寒さに弱い腎をいたわり、補うということはすなわち老化防止になるという結論です。

かの清朝の西大后も愛したと言われるこのくるみ汁粉、長寿で美肌の持ち主だったことで有名だそうですよ。
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                               写真は豆腐花の合桃露がけ
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by touhoubijin | 2005-11-16 10:21 | 漢方薬